怖い話…(碓氷峠)

夕方積みの翌朝9時に富山降ろしの仕事が入りました。


片道だけ高速代をいただけるということで交渉成立したので、行きは夜の下道を走って、帰りに高速を使うことにしました。

国道17号から18号へ入って、碓氷峠にさしかかったころちょうど深夜0時となり、一番眠い時間となりました。

それほどあわてる旅でもなし、峠のてっぺんまで眠気をこらえて走って、路肩に止めて一眠りしました。


時々すぐそばを走りぬけるトラックのエンジン音を聞きながら、1時間ほどウトウトしたでしょうか。

買っておいた缶コーヒーを飲んで、再出発しました。


てっぺんで眠ったので、あとは下るだけです。

一眠りしてすっきりした頭に夏の夜風が涼しく、快適に走っていると…。


ヘッドライトの先に人が歩いているのです。紫のボディコンにミニスカートを着た女の人の後姿。肩にかかるかかからないかのショートヘア。右手の指を立てて車道側に出し、道路の左側を歩いているのです。


私も男の端くれ。「乗せてやってもいいなぁ」と思いました。

どうせ水商売の女の子がタクシー拾い損ねて歩いているんだろう。軽井沢の市街地まであと数キロ。
ちょっとの間だけだろうけど、若い女の子と話しながら走るのも悪くない。


ブレーキに足をのせ、女の子の少し前で止まるようにスピードをゆるめて、女の子を追い抜きながら左のサイドミラーの中に映った女の子の顔を見て…


「!」


顔が、「!」どう見ても70過ぎのお婆さんなのです。シワシワの!


スケベ根性が一瞬でどこかへとんでいきました。


ここまでスピードを落としてしまったからには、止まろうか、それとも…。


一瞬の間に、頭がぐるぐる回りました。


「ちょっと待てよ!」

峠越えの一本道。あのばあさんはどこから歩いてきたの?

手ぶらで歩いて峠を越えてきたわけないし、山の中に飲み屋があるわけないし。


背筋に走った寒気を振り切るようにアクセルを踏みました。

Profile

image
なんてん丸
1993年に個人事業主として開業後、2003年に有限会社化。

すでに開業している方も、これから開業を考えている方も、気軽にメール下さい。ここでは書けないことも本音でお話しましょう。

また、普段から赤帽を使っているお客様、たまには使うお客様、初めて使ったお客様、ご要望やご意見をお待ちしています。

New Entries

Comment

Categories

Archives(88)

Link

Search

Free